アレルギー性鼻炎を香りで緩和する可能性について報告がありました。
鼻炎症状全般、特に鼻づまりのスコアについて、精油の吸入をした場合、香りなし(スイートアーモンド油)に比べて、スコアが有意に減少しました。これにより精油の吸入が、通年性アレルギー性鼻炎症状を緩和する可能性が示唆されました。
(公社) 日本アロマ環境協会 | アロマを楽しむ | アロマの研究・調査 | アロマサイエンス研究所 | アロマテラピーが鼻炎症状に与える影響
本文を読んで「ん?」と思ったところはちゃんと修正が入っていました。
0.2%濃度に調整したオイルを、朝と晩に5分間、通常呼吸で吸入したとあります。
ラベンサラ、ラビンサラ、ラヴィンツァラ?!
でもこちら▼の精油は、エストラゴールとメチルオイゲノール併せて5%以下。いずれにしろ、要注意成分が含まれています。
クスノキ科、1,8-シネオールがメインのシネオールケモタイプと、リナロールがメインのリナロールCTとがあります。
わたしはユーカリに似たシネオールケモタイプを持っています。
このように名前が紛らわしく著しく成分が違っていると
使う目的
安全に使える使用量
が変わってきます。だから学名・科名、さらに抽出部位を確認するのが大事、です。
どの成分が働いたのか?
- 1, 8-シネオール
- α-テルピネオール
- α-ピネン
- サンタロール
サンダルウッド エッセンシャル オイルに含まれるサンタロールは、副交感神経系 (PNS) の上昇と関連しており、リラックス効果と鎮静効果があり、サンタロールは過敏な鼻粘膜の副交感神経を刺激してアレルギー反応を抑えるようです [ 29 ]。
(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4808543/ をGoogle翻訳、各成分名下線はまいかによる)
ところが、なのです。
ラベンサラ Ravensara aromatica leafには、1,8-シネオールは微量、豊富に含まれてはいないのです。もう一つの成分、αテルピネオールも。
とすると、やはりラヴィンツァラ Cinnamomum camphora のことでは?と思ってしまいます。チャイニーズシネオールCTには、1,8-シネオール 50%、αテルピネオール 14.3%含まれていますから、ディスカッションの説明と合致します。
成分から見るアレンジブレンドの提案
以上のことから、わたしはより身近な精油を使ったブレンドにアレンジしてみました。
ユーカリ・グロブルス(1,8-シネオール)
スイートマジョラム(αテルピネオール)
フランキンセンス(αピネン)
サンダルウッド(サンタロール)
スッキリした、香りが出来上がりました。ユーカリ、マージョラムのちょっと苦手な部分がマイルドになったような気がします。お好みで柑橘を加えるとバランスがとれそうです。
4滴を0.2%にするには、
スイートアーモンド油10ml2滴で1%、10ml 4滴で2%、ということは100mlに4滴。
これを朝晩5分間嗅ぐ、というのが文献で紹介されていた手法です。
注意事項
- アロマテラピーは治療ではありません。
- もともとアレルギーをお持ちの方は、精油でアレルギーを発症する可能性もあります。
- 濃度が濃くなると、トラブルリスクも上がります。
- 服薬中の方は、かかりつけ医師・薬剤師にご相談ください。
医師にかかって必要な治療を受けるのはもちろんですが、憂鬱な季節を快適に過ごすために役立てていただければと文献をご紹介しました。
少しでも心地よくスムーズに、春を迎える参考になれば幸いです。
*参考資料*
第2類医薬品
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