フランスアロマテラピーの真髄を知る!アロマトローグ栗栖智美氏によるメディカルアロマ塾中級2018新潟夏の陣 IPAP新潟セミナー事務局さのです。
今日のブログは、長いです。
※この記事は、特定のメーカーや団体を推奨したり非難しているわけではありません。あくまでもニュートラルに、感じたことをそのまま書いたものです。ご了承ください。
智美先生セミナーのご案内を、まだお会いしたことのない新潟県内のアロマ講師・スクールさま、AEAJ機関紙に広告を出されているアロマスクール・代理店さまあてにお送りしました。
不躾にも程がある、と思われてもいい、とにかくアロマテラピーの現状に危機感を持っていらっしゃる方に届きますように。その一心でした。
すると…
精油輸入代理店さまから返信をいただきました
ほどなくして、1通のメールが届きました。とある精油輸入代理店をされている方でした。ご了解を得て、ブログでご紹介します。御本人からも「ぜひ多くの人に知ってほしい」とのことでした。
以下引用です。
興味のある方の講座ですね。
ただ、遠方ですので、伺うことができません。
私も家族も、フランス人と接する機会の多い環境におりますが、
最近ようやく、アロマを好きなフランス人に出会うようになりました。
しかし皆さん、アロマは香りとして求めており、メディカル使用する人に出会ったことはありません。
先日も銀行で出会ったフランス人の若い夫婦に、アロマの話をしますと
え??ああ、コスメティックだね、と言っていました。
日本で見聞するフランスのアロマ事情とは異なっています。
日本のほうがアロマをメディカルに求める方が多いのではないか、とわたしは想像してしまいました。
しかし、現地の方のフランス事情を実感しておられる方は、それは違う、と言われるでしょうね。
あるイベントで出会ったフランス人の業者は、そんなことはない、病院でもよくつかわれている、と話していましたが
業者ですから、それを信じることはできませんでした。
ただし、わたしは、フランスで活用されているかどうかなどは、それほど重要とは思ってはおりません。
本物の精油を見つける感性をどのようにして磨くことができるか、
また、それをどのようにして正しく使うか、などを私は求めています。
良い講座となられますように、祈っております。
そうなんです!わたしは「フランス式」「メディカルアロマ」に興味があるというより、「本物の精油を見つける感性をどのようにして磨くことができるか、またそれをどのようにして正しく使うか」まさにそれを求めているのです!だからこそ、智美先生のお話を多くに知ってほしいと思ってご案内したのです。という趣旨と、貴重な情報に対するお礼を申し上げたところ…
わたしは、恐る恐るメールしていました。
あたたかいお返事をいただき、ありがとうございます。
少しホッとしました。フランスよりもイギリスのほうが盛んなのかもしれない、と思っていますが。
でも、イギリスのことは知りません。
フランスはやはり保守的です。
わたしは、20年以上前にP社社長の東京と大阪2日間ずつの第二回目の講座のテキスト翻訳と通訳をして
アロマテラピーを知りました。
このころから、メディカルアロマの言葉が普及始めたようです。
それから、業者は「フランスでは」、「フランスでは」、と宣伝を始めました。
また、成分表のない精油は粗悪品と決めつけるようになりました。
しかし、ヨーロッパの業者は、成分表をあまり評価しませんし、日本のそのような状況を斜めに見ている人達が多いようですよね。
私は「フランス」「ケモタイプ」「成分表」などという言葉が商売の道具にされていると感じ、アロマの世界(商売)から離れた時期があります。
そのうち、ある医療機関の方から、上質の精油があるから輸入だけをしてほしい、と頼まれ
オーストリアのDrエバーハルト社の輸入業務に携わるようになりました。
3、4年前だったと思います。フランスやヨーロッパのアロマ事情を輸入元のDr.エバーハルトに問い合わせました。
すると、彼はフランスアロマテラピー大全の共著者P医師と面談し、話を聞いたそうです。
すると、
医者は診察で、数分しか患者と接することができない、したがって精油を処方するなど不可能である
アロマの話をするのは看護師だ、と話したそうです。
すると、これは日本の状態を同じだ、と思いましたし、日本のほうが関心を持つ医者がより多いのでは、と思ったものです。
オーストリア(EU)では、精油をコスメに使うことは許可されていますが、医療での使用はかなり制限されているように思います。
現在のフランスではどのようになっているのでしょう、健康保険も日本とは違うシステムです。
薬屋で購入した領収書を区役所に知らせて、支払ったお金が還付される、ので、日本の健康保険システムとは違うように思います。
このシステムについて、聞いていただきたいのですが。
どうしてこんなことになるのか、というと、精油を1本売っても、利益が数百円です。つまり、精油の販売ではもうからないのです。
そこで、粗悪な精油を安く輸入して、高く、大量に販売する、そんな業者がうようよいます。
このような状況が続いていくと、アロマテラピーがすたれていきます。
身体によい、と言われて精油を購入しても、蓋を開けると数ヶ月で香りが薄くなったり、油臭くなる精油が多いです。
すると、なんだ、アロマなんて効かないじゃないか、ということになります。
そんな残念な事態にならないように、皆様、どうぞがんばってください。
Drエバーハルトではアロマテラピーと中医学を融合させた理論を展開しています。
いつか、関心をお寄せいただけますと、幸いです。
どうぞ、本当の姿をお皆さんにお伝えいただきたい、と願います。
(ごめんなさい、わたしはもう74歳ですので、ちょっと失礼な文章を書いているかもしれません・・・)
なんですって!ちょうど私が今読んでいる本に出てくるかたのお名前がズラリ。
しかも人生の大先輩!行間からもアロマテラピーへの愛と、以前アロマ業界のウラをよく知る友人から聞いた精油の品質に関する話や、私の感じる違和感と危機感を同じくしていらっしゃる。「他にも同じように、日本のアロマテラピーを憂いているひとはいるので、ぜひこの大事なお話を、智美先生とブログを通じて多くの方に知ってほしいと思うので、公表をご了解いただきたい」、とお願いしましたところ、
すごいです。
同じ考えの方がいらっしゃるのですね。それも多くおられる、と伺い、非常に力になります。
どうぞ、私のメールや情報はお使いください。どんどん皆さんに広めていただきたいです。
成分至上主義の現在のアロマテラピー界では、私は異端児だろう、と思ってきました。
それが、同感してくださる方と交信ができて、私の方こそ感激です。
成分表は、弊社の精油にも添付しています。しかし、添付するまで大変でした。
Dr.エバーハルトは非常に頑固な人ですので、成分表の提示には批判的でした。出せないというのではなく
提示することに意味がない、日本の成分表一辺倒の姿勢がおかしい、と半ばあきれられていました。
しかし、成分表がないと、粗悪な精油とおもわれます。
エバーハルトは、精油の姿は、成分だけを見てもわからない。りんごのひとかけらを食べて、ああ、すべての栄養を口にした
といえるか、と話していました。そして、成分表は、精油の一部の情報に過ぎない、と主張します。
それは、成分表には主要成分が記載されているのであり、成分すべてが記載されていない。
100~200種類以上もある成分すべてが記載されているのではない、微量成分などは無駄なものではない。
微量成分が精油に力を与えている場合もある。
すべての成分、微量成分まですべてを同定できる科学者は世界に10人程度しかいない。
成分から精油を見るのではなく、精油そのものを、全体を見てとらえなければならない、と主張します。
そこで、精油を感じる感覚が最も重要視しなければならない、と私は考えるに至りました。
そして、精油の香り感じる感覚が、成分よりも重要である、と考えています。
ところが、最近、メディカルアロマと唱える方々は香りよりも成分と主張される方の存在を知りました。
アロマテラピーから香りを取ってしまったら、何がアロマテラピーと言えるのでしょうか、とその意見には反発しました。
Drエバーハルトの精油は香りが高く評価されています。深い心にしみる香りが、私は本物だ、と思っています。
誠実に作られた精油は熟成します。弊社には、7年ほど前に蓋を開けた精油と13年前に蓋を開けた精油がございます。
クラリセージ、イランイラン、ジュニパー、ゼラニウム、ローズなど。
これらの精油を展示会では並べて皆さんに嗅いでいただきます。
ほとんどの方はびっくりなさいます。どうしてこんなに良い香りなのか、酸化はしないのか、などの質問がでます。
確かに酸化します。しかし、酸化は劣化ではない、とDr.エバーハルトは言います。熟成していく
つまり、高級ワインと同じ工程をたどる、というのです。
数年前にクラリセージをイベントで並べていて、あまりにも古いものを置いていると馬鹿にされると思い、
新しいクラリセージのふたを開け、嗅ぎました。古い方がよっぽど良い香りでした。そこで、エバーハルトに
今回のクラリセージの香りは良くない、とクレームのメールを出しました。
すると、それは熟成していないからだ。少し蓋を開けていると良い香りになるよ、というのです。
そこで、1日だけ蓋を開けておきました。確かに香りがよくなりました。
フランスのラベンダー畑のふもとのお店でも、そのようなことを聞いたことがあります。
お店で、ラベンダーを嗅いでいたら、店員がそれは取れたばかりだから香りがよくないよ
少し蓋を開けて置いたら良くなるから、、、というのです。
Drエバーハルトの言葉は、間違えでない、と思ったものでした。
フランスの蒸留所にいらしたのですね。
弊社の所属します日本アロマセラピー学会の方も何年か前に蒸留所に行かれました。
そこで、日本に出ている精油のほとんどはほとんどよくない、と言われたそうです。
Dr.エバーハルトも現在の蒸留所の実態を憂いています。
蒸留所で様々な不正が行われている、というのです。
ラベンダーなどは40~45分ほどが蒸留の時間なのに、半分の時間、つまり20分ほどで蒸留をやめているところがほとんどだ
これでは、成分は90%しか取れない精油が出来上がる。つまり10%の成分が捨てられている。
ミルラなどは76時間と、昔から蒸留時間が決まっていたが、現在は、人間の都合の良いように精油が作られている、と言います。
ユーカリは、シネオールが80~85%含まれた精油が本物、と言われます。
このシネオール80~85%を取り出すためには、テクニックがあることはご存知ですか。
ユーカリを高温で短時間で蒸留するそうです。すると、シネオールは規定通り取り出せます。
しかし、そのほかの、微量成分はなくなってしまう、ということです。
このほかにも様々な不正が行われている、とDr.エバーハルトは言います。
ラベンダーの蒸留時間については、以前、翻訳家の高山林太郎が1時間半蒸留しなければ本物の精油は取れない、と
ブログで書いていました。これは、Drエバーハルトと異なる意見ですので、質問してみました。
1時間半は長すぎる。自分は蒸留の現場に30年ほど立ち会ってきている。40分から45分で蒸留すると優れた精油が採れる、
という返事が来ました。弊社のラベンダーの香りはいつも高く評価されますので、私は、Drエバーハルトの言葉を信じています。
弊社は、昨年環境協会に入会しましたし、営業活動もあまりできていません。また、お店もありません。
このため、知名度は低いです。BABジャパンのセラピスト6月号で、少し紹介されています。
ごめんなさい。長いメールになってしまいました。
でも、同じ考えの方に出会えて、とっても光栄でした。
記事についての画像ファイルを添付していただきましたが、ここでの公開はBABジャパンさまの著作権抵触になると考えましたので、申し訳ありませんがそれは控えます。
購入された方は、お手にとってさがしてみてくださいね。
精油は農産物
いつも講座でお話することです。
植物・土地・気候・植物の作りて・蒸留技術・ボトリング・保存状態・代理店・利用者。それぞれのフェーズに不確実性、ゆらぎがあります。すなわち、ワインのように、お米のように、それぞれ違う。
農業県に住むものとして例えるならば、異なる生産者が同じサイロに投入する集約型大規模農業JAと、わたしが携わっている里山のたった2枚の田んぼ(無農薬無肥料)。産業としても、出来上がった生産物としても、全く別物であることはわかります。たとえ同じ長岡市内であったとしても。
だから昨年フランスツアーにでかけて、本当に精油の品質に拘るのなら、究極は自分で栽培して自分で抽出することだろう。でもそれは現実的ではない。ならば生産者に会いに行き、その流通について聞くことやポリシーを尋ね、なにより香りに納得した上で購入し使用するのが妥当だろう、という自分の中での結論になりました。
成分表は、安全性や特徴、使い方の判断をするために参考にする程度です。蒸留時点・分析時点・使用時点。それぞれで変化しているはずですよね?
わたしが成分表を見てなにを考えているか、知りたい方はこちらの記事をどうぞ!
意外かもしれませんが、薬理作用は禁忌事項を気にするくらいです。それも、わたしが精油は薬とは違うということを十分知っているからだと思います。薬ではないけれど、なにか身体と心に働きかけてくれる素敵な香り、それがアロマテラピーと思っています。
どのように精油を選べばよいのか?
わたしは特定のブランドの精油だけを使うことはしません。「何がおすすめですか」とよく聞かれますが、あなたの嗅覚に聞いてください。とお答えします。
使用する目的・予算・かおり・安全性への配慮(ドロッパー・セーフティロック仕様など)を全体で判断して選んでいます。
とはいえ、いかんせん、地方なので東京のようにあれこれ比較してまわる事もなかなか難しいでしょう。
ではどうやって、香りに対する感性を磨くのか?
一つの方法としては、同じ植物で異なるブランドの精油を買い揃えてみる、というのもアイディアかもしれません。
全部買うのは大変?それならAEAJをはじめとしたイベントに参加して一斉に嗅ぎ比べてみるというのもアイディアでしょう。
あとは、直接生産者・蒸留者に会いに行く、という方法もあります。最近は和精油の国内蒸留所も注目されています。小さな蒸溜所ほど、常時見学可能なところは難しいかもしれませんが、情報を集めることはできます。そんなときも、協会機関紙や、フレグランスジャーナル社さまのアロマトピアが参考になります。
最後に、わたしから送ったメールを。
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思いのこもったメールをありがとうございます!
ちょうど予習として、フランスアロマテラピー大全を図書館で借りて読んでいるところだったので、名前を拝見してびっくりしました!
大先輩からのお言葉、またまた感激しています。
お言葉ひとつひとつに、頷きながら拝読しました。
昨年、フレグランスジャーナル社主催のフランスアロマテラピーツアーで蒸留所見学に参加しました。
そこで真摯な生産者の方々の声を聞き、成分表や効果効能だけにこだわりすぎることに疑問を持ちました。
(しかもそのわりには、成分の意味や性質を理解していないひとのほうが多いように見受けられるのはなぜでしょう…
保証書がわりでしょうか。なんのための精油の化学か、という話を時々セミナーしています。)
日本のアロマテラピーの現状を嘆いているひとはたくさんいますし、
このままではダメになる…という関係者の悲観的な声も聞きます。
だからこそ、地方の微力な存在ではありますが、【情報も精油も、本物を見極める】ことで、この素晴らしい先人の知恵を、私達の世代で終わらせないように、守りたい。
アロマ歴もまだまだ浅いひよっこですが、そんな気持ちでおります。
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引用ここまで。
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フランス式に安全に楽しみたい方も、純粋に香りを楽しみたい方も、知っておきたい知識が満載です。
アロマが好き!もっと知りたい!という大きな目的を持ち、協会や資格の枠を越えて、ご一緒できましたならば、幸せです。
代理店様との一連のやりとりで、智美先生に質問したい事柄も増えました。
たくさんの方と出会えることを、楽しみにしております!新潟夏の陣に関する詳細とお申込みは下記からどうぞ。