公益社団法人日本アロマ環境協会(AEAJ)認定アロマテラピーインストラクター さのです。
2015年に引き続き、2016年も新潟県立栃尾高等学校様よりご依頼いただき、「香袋」づくりの1プロセスとして香育授業を実施いたしました。
香育とは…
「香育(こういく)」は子どもたちに向けた「香りの体験教育」です。
植物の恵みである精油(エッセンシャルオイル)の香り体験を通して、五感のひとつ「嗅覚」に意識を向け、豊かな感性や柔軟な発想力を育むとともに、人と植物の関わり、自然環境の大切さを伝えます。香りは、私たち人間や動物、虫、植物が生きていくためにとても大切なものです。
「香育」では、人間や植物にとっての香りの役割などを学んだ上で、植物によって香りが異なることや、人それぞれで嗅いだときの気持ちが異なることを体感します。また、AEAJでは5月19日を「香育の日」と制定し、普及啓発を行っています。
栃尾高校は、「生活と福祉」選択授業の中で、地域の高齢者に贈る香袋を毎年作製しています。その中身をおととしまでは100均の香り玉を使っていたそうですが、
・時間が経つと中身が無くなる、シミになる
・せっかくなら天然の香りでつくりたい
ということで、公益社団法人日本アロマ環境協会経由でご依頼いただきました。
今年は、日本産の精油(和精油)も織り交ぜながら、授業をしました。
かおりのしくみと、生物(動物・植物)とのかかわりあい、
などの座学と、
11種の精油からイメージワーク(直感で好き嫌い、かおりの言語化)
好きなかおりを使ってそれぞれ独自のブレンドとネーミングで、香袋の中身を作る
グループワーク
という、50分×2コマの授業を担当しました。
授業後アンケート結果と考察
アロマテラピーという言葉を知っている
知っていた14、知らなかった13
家で精油を使っている
自分で使う1、家族が使う5、使っていない21
好きなかおり苦手なかおり
今回は参加者数も精油数も増えたので、エクセルで集計して、グラフにしてみました。
栃尾はいわゆる山間地で、積雪も多く、森林が多く、水も豊かな土地です。
森になじみがある生徒さんたちなので、木系の香りは好きなんじゃないかと思っていたのですが…苦手な人が多かったです。
精油の香りと、森林浴の香りとは、やっぱり違うのでしょうね。
それでも、「ものすごく好きだ!じいちゃんの森の香りだ!」という生徒さんもいらして、好き嫌いには、経験や感情が大きく関係するのだなと改めて感じました。
柑橘類は、予想通り、大人気でした。オレンジスイートは不動の人気ですね。
ベルガモットはちょっと大人の香りなのでしょうか。柑橘の中では苦手と答える人が多かったです。これもベルガモット精油の成分と関連があるのかもしれません。
その他アロマテラピーで一般的に使われる薄荷、ローズマリー、ラベンダー、ひのきも好ききらいがわかれています。
アロマテラピーをもっと知りたい
YESと答えた方:23人/27人
まとめ:高校での香育、大変光栄な体験でした!
昨年に引き続きのご依頼、また受講する生徒数増加も嬉しかったですし、栃尾高等学校広報に香育授業の模様を取り入れていただけたことも、光栄でした。
香り11種は時間管理上はチャレンジングでしたが、「かおりの種類がたくさんあってびっくりした、もっと知りたい」の声や、「かおりに酔った」という体験で「換気の必要性」を実感いただけたり、「体感型」授業をできたと思っています。
担当の先生からも、「生徒の意欲を引き出してくださる授業内容で、職員も大変参考になりました」とのうれしいお言葉をいただきました。
「贈る相手を思いやりながら香りを選び、調合する」という行動自体が、福祉の本質に近づけたとのご感想に改めて、貴重な時間を任せていただけたという、責任感と喜びを感じました。
今年もまた、栃尾高等学校のみなさまとご一緒できるのを楽しみにしています。
今後はこれまでスタッフとしてご協力くださったインストラクター仲間をメイン講師として、それぞれの持ち味(福祉の仕事、アロマ空間デザイン、ハーブ園芸など)を活かして、新たな切り口の香育授業を展開していただきたいと思います。
あらたなインストラクター仲間イントラボメンバーの加入にも期待します。