(2018.5.26 ameblo記事のアップデートリライトです)
違和感を感じたら「違和感を感じるひともいますよ」と、時々控えめに本当のことを言う必要がある。何も言わなければ、変わらない。
たとえ、すぐに何かが変わるわけでなくとも。丁寧に伝え続けることで、いつか気づいてほしい。
そう願いながら、書いています。言わなきゃ、書かなければ伝わらないから。
「天然だから、安全安心だから、健康被害なんてありえない」などと
メリットだけを語り、リスクを説明しない人には、要注意です。
本人は、きっと良かれと思って、やっていらっしゃるのでしょう。
そして周りにいる人も、アロマテラピーのことをなにもご存じない方であれば、
仲間内でお友達を応援するでしょう。
でも、健康被害が起きてしまったら?
消費者庁と独立行政法人国民生活センターが共同運営している下記データベースで「アロマ」「精油」「エッセンシャルオイル」をキーワードとして検索してみましょう。
びっくりしませんか?
わたしはこの内容をいつも授業で伝えています。
そしてアロマテラピーを知らないことで起こりうるリスクをどう管理するか、自分で考えてもらいます。
そうすると、精油の取扱いに関する注意事項が腑に落ち、実践の時にお客様に伝えるポイントが浮かび上がります。
精油の不適切な使用によるトラブル例は、こちらでも写真付きで紹介されています。
エッセンシャルオイルの人気の高まりと、それらを使用する際の安全上の注意に関する不十分な情報が、少なくとも部分的には、有害反応の有病率の増加の原因となっています。例えば、エッセンシャルオイルを希釈せずに、特に長期間にわたって使用すると、リスクがはるかに高まります。
ARDは、エッセンシャルオイルが不適切に使用された場合に存在する可能性のある危険性を強調するために作成されました。大部分の人々がエッセンシャルオイルに対して有害な反応をすることは決してないことを強調しておくべきです。ただし、不適切な使用はリスクを増大させます。(Google翻訳利用)
文字情報だけで「肌に異常が生じたときは」と言っても、具体的にどのような状態が異常なのかを知る機会がない方の参考になるかと思います。
そして事故情報データバンクシステムでもトラブル実例として現れる、会員制アロマ。
以前精油メーカーに関するFDA警告記事をさらっと書きましたが、その活動は止むことはないようです。
日本における補完代替療法に対する位置付けについては、こちらをご参照下さい。
「「統合医療」情報発信サイト(eJIM:「イージム」と読みます)は、民間療法をはじめとする相補(補完)・代替療法*と、どのように向き合い、利用したらよいのかどうかを考えるために、エビデンス(根拠)に基づいた情報を紹介しています。決して個人の責任で実施するさまざまな療法を制限するものではなく、また特定の療法を勧めるものでもありません。 ※相補(補完)・代替療法:近代西洋医学と組み合わせられる各種療法
精油は薬ではありません。効果効能を謳うものでもありません。教科書で習っていることですが、なぜか?
以下、私見です。
それは「薬機法で禁じられているから」はもちろんですが、「そもそも同じに扱えないものだから」です。
(20180331当スクール主催アロマテラピーの化楽授業資料より一部抜粋)
「アロマテラピーの効果効能は、科学的に証明できているんでしょ?」と言われることがありますが、わたし個人としては文献まで遡ってもヒトへの臨床上の効果は確認できていないため、猛烈にムズムズしてしまうのです。
あ、今度から「それ、誰から聞きました?」「どの文献のお話でしょう」ってお尋ねすることにします。
あと、文献まで遡ったという方がいらしたら、ぜひ教えを請いたいです!
詳しく知らない人にとってはきっと、わかりやすく「◯◯は●●に効く」と言い切ってくれたほうがスッキリするのでしょうね。
でも、わたしは、わかりやすくするために重要なところを端折ることはしたくないのです。
人体のメカニズムも、植物の薬理作用も、すべてが解明されているわけではありません。
プロフェッショナルは、いたずらに断言はしません。
それは複雑系の取扱いの難しさを知っているし、わかっていないことをわかっているからです。
以上、あくまで製薬会社で新薬候補品の探索化学合成(薬化学Medicinal Chemistry)に携わっていた経験があるわたし個人の、ものの見方です。
あなたにアロマテラピーを伝える人は、なにをどのように伝えているでしょうか。
アロマテラピー・ハーブなどの自然療法を伝える仕事をされている方は、どのように伝えていらっしゃるでしょうか?
世界は広く、人の数だけ考え方はある。
そして感じた違和感について、自分の頭で考え判断する習慣があれば、安易に流されることも、うろたえることもない。
わたしはそう考えています。
さて、あなたはどのようにアロマテラピーを伝えていますか?
あなたの周りのアロマテラピーに関わる人は、どんなふうに伝えていますか?
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